東京高等裁判所 昭和44年(ネ)2280号 判決
控訴人らはまた、本件土地は農地法第四四条、同法施行令第四条第二号の要件を具備しないから、農地法第七二条による本件買収処分は著しく不相当にして無効であると主張する。農地法第七二条の規定による買収は、国が同法第六一条の規定により土地等の売渡しを受けた者またはその一般承継人が所定の検査の結果、開墾して農地とすべき土地の開墾を完了していないことが明らかとなつた場合などその目的を達成し得ないと認められる法定の要件を具備するとき、これをそのまま放置するのは適当でないため、それを買戻し改めて右土地等を適当な者に売渡し本来の行政目的の達成を図ろうとする趣旨に出るものであり、右第七二条による売渡土地等の買収については、未墾地等についてなされる当初の買収基準に関する農地法第四四条、同法施行令第四条第二号の規定が適用されることはない。してみれば、農地法第七二条によつてされた本件土地の買収に同法第四四条、同法施行令第四条第二号の規定が適用されることを前提とする控訴人らの右主張はこの点においてすでに理由がないといわねばならない。
(多田 豊水 岡垣)